FCCテクノ

福岡の小さな会社で代表が育休をとった話・前編2023.03.01

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こんにちは。FCCテクノ代表取締役の西村です。
最近、育休を取得しましたので、その件についてまとめたいと思います。福岡の小さな会社ですが、最近子育てメンバーが増えてきていて、とても重要な経営課題であると考えています。以下記載していきます。
書いてたら長くなったので2部に分けます。
(前編)
自己紹介と育休の背景
男性が育休をとった結果
男性が育休をとるときに必要なもの

(後編)
代表が育休をとった会社への影響
育休に向けた課題と対応策
今後のFCCでの育休に向けた課題
まとめ

■自己紹介の育休の背景

私の家族構成は下記の通りです。今回、妻40歳で初産でした。
ハードワーカー(39歳) 大分県出身
個人事業(40歳) 山形県出身
私が大分出身なのですが、妻は山形県出身です。里帰り出産も考えましたが、医療機関が整っていて、環境も良い、あと私も動けないので、福岡県で産んでくれると決断してくれました。この決断は、とても良かった点と、とても大変だった点をもたらします。(私からすると、とても良かったのですが。)
妻が周りからサポートを得にくい環境であったこと、それでも私がいる福岡で育休をしてくれると決めてくれたので、私も会社が傾く覚悟(?)を決めて、育休をとることとしました。
結果、会社は全く傾きませんでしたし、むしろ、育休をとったことによる好影響が大きかったのです。思った以上に効果が大きく、特に若手の代表は、積極的にとることをお勧めしたいと思います。(出張ができないなど、お客様にはご迷惑をおかけしたかもしれませんが・・・・。)

■男性・かつ、代表取締役が育休をとった結果

育休をとってみた効果は、次の3点に集約できます。

① 職員の生活(子育てや介護)を考えるようになった
② よりどこでも働ける環境・バリューに着目した働き方を大事にしようと思った
③ 何より自分自身が良かった
順を追って説明していきます。

①職員の生活(子育てや介護)を考えるようになった。

まず、1点目ですが、私も前職からプロジェクトマネジメント・事業再生などを生業としており、チームを率いる立場でしたが、まったくチームメンバーの家庭のことを考えてなかったな、と改めて思いました。
私の前職が、国の組織(地域経済活性化支援機構・旧企業再生支援機構)であり、公的資金及び過去の再生(JAL)での余剰金を原資に運営されている組織でしたので、リソースがふんだんにありました。
当時の私は、だからこそ、お金も時間も無駄にできない、大袈裟ですが、日本最高峰の高い成果を上げるべきだ、との意識がとても強く、自然と、私自身にも、チームメンバーにも超ハードワークを課していました。会社の終電後のタクシーの台帳には、私のチームがいつも常連でした。
会社を離れ、当時のチームメンバーと合うと、「西村さんと仕事していたら、勝手に子供が大きくなりました。子供の新生児期の記憶がありません。」とか、「金曜の夜に、月曜の朝、軽くミーティングしたいので、とよく資料を渡されました。あれでは土日働かざるをえません。」とか、そういう話をしてもらえるようになりました。
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育休とる前は、負荷かけてたなあ、申し訳なかったな、ぐらいに思っていましたが、あまり考えてなかったと思います。なんなら、「プロなのである意味しょうがないのでは?」ぐらいに思っていたと思います。
ただ、育休とってみて思ったのが、本当に新生児大変、そもそも、妻が大変、ということに初めて気が付きました。産褥期の体調不良は、人によって違うようですが、妻は随分具合が悪く、歩くのもままならない状態でした。更に子供は泣きます。そして寝ない!(頻繁に起きる)これでは、なかなか仕事も集中して取り組めません。
こうしたライフスタイルの変化に、当時の私は全然思いを馳せることができていなかったな、と改めて思います。また男性ですらここまで大変なのだから、出産の当事者たる女性における変化は計り知れないだろう、と改めて実感を持つことができました。
結婚の有無、出産の有無は相対的なものであり、どの生き方が良い、というものではありません。ただ、人によって抱えてるものは違うし、家庭の状況って異なるんだなと改めて意識できたことは、多様な人材を抱えていく上で、とても大きかったように思います。

②よりどこでも働ける環境・バリューに着目した働き方を大事にしようと思った

更に、どこでも働ける環境や、時間の長さではなくて成果に着目した組織運営が大事であるな、と改めて痛感しました。
子供がいると、兎に角不規則で、突然泣き出すし、泣き止みません。これを妻が1名で朝から晩まで対応するのは、家にずっといれる環境であったとしても、難しいと思います。かわいいのですが、泣けば泣くほど、「もう勘弁してくださいよ~」と思う気持ちがわいてきますし、狭い家の中にいると、気がめいってきます。
助産師さんに聞いた話ですが、人によっては、動かない夫がいるぐらいならいないほうがいい、という家庭もあるようですが、私の家は、妻が家にいてほしい、という要望が強く、私も妻の状況・状態からするといたほうがいいな、と思いました。
この状況下で、毎日定時がある働き方は不可能です。8時間働くことはできるかもしれませんが、9時17時という時間で縛る働き方では、不規則な子の動きに対応することができないためです。
よって、子供を育てる、真の意味でのワークライフバランスを成立させるには、より柔軟な働き方・成果の出し方を社内にカルチャーとして徹底させていく必要があるな、と感じました。これは後編に記載していきますが、私たちFCCは、本当の意味のワークライフバランスを考えていくためにも、ハードに働き、成果は追及していくが、働き方そのものは柔軟でありたいと考えています。
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育休をとったことで、「柔軟であったらいいなあ」ではなく、「柔軟でなければならない、絶対に。」まで、高めることができました。会社に忠誠を誓い、自分自身の生活をすり減らす時代ではありません。緩く働こうぜ、というのではなく、ちゃんと働くが、生きることそのものも、ちゃんとしようよ、というのが当社です。(宣伝)
まあ子育てに限らず、介護であったり、いろいろな事情があって、柔軟に働ける会社を作ることは、人材を募るうえでもとっても大事であるな、と改めて思いました。

③何より自分自身が良かった

最後に自分自身、私個人としてもとても良かったのです。
福岡市の六本松にある産婦人科(東野産婦人科)で出産をしましたが、育休を早めに取得して出産前から休んでいたことで、出産になんとか立ち会うことができました。普段のんびりしている妻が、苦しそうにしていること、長時間(1日半ぐらい・・・。)、陣痛で顔をゆがめてみるのを見て、こんなに大変なことなんだ、と改めて実感することができました。
男性からしてみると、なんとなく妻のおなかが大きくなっていき、気が付いたら出産しているように見えるし、感じるかもしれませんが、そうではなく、やっぱりどれだけ医療技術が進んでも、命がけで成すのが出産である、と感じました。出産に立ち会えたことは、私の人生をより豊かにしてくれたと思います。
また、出産後は兎に角喧嘩が増えました。(今も多いです。)
ただこれも理由があって、妻はこれまでの10年、私のハードワークをしっかり支えてくれました。そのおかげがあって、私は平日16時間働き、土日も8時間働く生活を継続できましたし、東京で結婚したはずが、九州に住むことまでできました。なので、私の生活は、妻の献身に支えられていたからできていたのです。
なので、子供という第2の軸ができたときに、このバランスが崩れて、いやがおうにも、改めて夫婦の時間の使い方、家族の時間の使い方を見直さざるを得ない状況になっています。
でも、そこで思うのが、元々単なる法的な関係がない任意でのパートナーであった15年前、結婚し、民法上結合した10年前、そして今と、それぞれ二人でも役割が違うし、ゴールが違うのだから微調整が必要で、その微調整を行う時間が必要なんだろうとな、思っていますし、私の働き方、人生の時間の使い方を見直す最大の切っ掛けになった、ということです。

■男性が育休をとるうえで必要なもの

ということで、育休、とってみて全面的に良かったのですが、必要なものがあります。

①本

私の妻が出産した東野産婦人科の先生が書かれてる本で、外来受診時に買ってきてもらい、読みました。女性の出産前後のホルモンバランスの推移など、感情の浮き沈みなどに対応できます。
子育ての本は、平易に書こうとしてなんだかイラスト重視、感覚論が多い中、なぜ産後クライシスが起きるかを産婦人科医の立場から説明してくれてる本で、私はこの本を読んでいてよかったと思います。
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②徹底して支援する心構え

元々、私自身は家事をするのは苦にならず、料理・洗濯・掃除はやれるのですが、更に踏み込んでやること、自分は仕事あるのに、なんで家事や育児のことまで・・・と思わなくはないですが、妻からすると、それは関係がない世界です。
出産前には仕事がハードであることは、理解してくれていたので、私がどうであるとか考えるに至れないまで、兎に角妻にとっては大変である、ということを認識して、徹底して対応するのが大事なんだな、と思います。
時々私も余裕がなくなって、僕にだって仕事があるし代わりにやってみろ!ぐらいのことを言ってしまいますが、これは産んでもらってる以上、言ってはいけない言葉なんだろうな、と思います。どんなにつらくとも。それ以上に産褥期の体調不良はつらいし、言葉を発することができない新生児のお世話は大変ですね。

③会社の理解

最後に、これは後編で触れようと思いますが、会社の理解が必要です。男なんだから家族よりも仕事を優先すべきだ、とか、あるいは子供がいようがいまいが、Dutyは同じだ、というのも、ある意味ルールなのですが、子供が希少な資源となってきていて、社会を維持・発展させるために子供を増やしていかなければならないなら(ここは諸説・諸論あると思いますが。)、多少優遇してもいいのでは、と思います。
だいたい、晩婚化で30前後で出産することが増えてきています。私たちのように40前で産むケースもありますが、その世代は、だいたいどの会社でも実務を引っ張るエースであることが多いように思います。だとすると、産休・育休を真剣に考えるのは会社の戦略を考える上でも重要ですし、子育てに対する理解を醸成していくのは、経営者の義務であると思います。
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幸いなことに、FCCテクノは古い会社ではありますが、産休・育休に対してはとても理解がある会社で、私自身も安心して、育休に入れました。男性かつ代表取締役が、育休をとれる中小企業って良くないですか。(もっとも、リモートでは部分的に働きましたが。)

まとめ

まだ私の家庭も、安定したとは言い切れませんし、日々バタバタしていますが、何とか会社としても、子供を育てやすい、あるいは、子供に限らないライフイベントを乗り切りやすい会社にしていきたいと思っています。
後編では、より会社の中でどうやって育休・産休を取り入れていくか、今回の育休がどのような影響があったかをまとめていきます。
長々とありがとうございました。
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