FCCテクノ

創業60年の老舗が本気で変革を目指した結果2023.01.10

fcctechno2022
あけましておめでとうございます。
創業60周年を超えた、(おそらく)西日本最古のIT企業、FCCテクノです。当社は2年前に大きく体制を変え、抜本的な若返りを図りました。その時の旗印に、徹底したDX、「徹底して捨てること」を掲げて取り組んできました。結果、本当に大きく会社が変わりました。
これまでのBlogのまとめ的なエントリですが、地方、福岡で中小企業が変革に取り組んだ結果、何が起きたかを改めてまとめたいと思います。
(FCCで起きたこと)
①とにかく素早く決めて、早く失敗する
②徹底したオープン化・フラット化
③プロフェッショナリズムの醸成とチームワークの徹底

以上、順を追って評価していきます。今回は、少し課題も整理したいと思います。

①とにかく素早く決めて、早く失敗する

60年続いた業態を転換するには、とにかく素早さが大事だ!と思い、最初に取り組むこととして、素早さを掲げました。
(浸透の方法)
デジタル化を徹底し、紙が物理的に回らない、会議体・組織の整備し、決める場所・決める人を明確にすることを、初めに取り組みました。また、細かい点ですが、脱メール、チャットツール文化に切り替え、即レスポンス体制を構築しました。「チャットでおしゃべりして楽しんじゃうのでは?」という意見もありましたが、仕事終わってれば別に良いのでは、と割り切り、何よりも速度を重視するようにし、手続きのための手続きをすべて廃止しました。
コツは、よく言うQuick and Dirtyと、仮説思考です。イシューからはじめよ(安宅和人氏)に書かれているように社内でも何でもイシューからはじめること、適切な問いを立てることが生産性向上のコツである、ということを、氏の書籍や、プロフェッショナリズムと問題解決の実践(トーキョー・ハーバー氏)の書籍などを元に、現役・OBの戦略コンサルティング経験者等を講師として、仕事の進め方の変革を行いました。
伝統的な会社に、コンサルティングのようにタイトで多様な課題に対して即対応できる思考術を重視して、トレーニングを繰り返し行っています。大まかな評価としては、若手を中心に、こういった素早くアウトプットを出す思考が、習慣化できつつあるように思います。地方の中小企業ですが、思考はどこまでも最先端であれるはずだ、と思い、日々磨きをかけています。
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(課題)
ただ、速さを重視するがゆえに、決めるべき人・決めれる人に意思決定が集中しすぎて、逆に遅延する状況が生まれてきました。2022年の末より、再度適切な権限移譲を進めています。また、失敗しよう!とは言いつつも、慎重に動いてしまい、まだまだ挑戦ができてないな、と評価しています。速さを重視しすぎて、普通の会社にあるもの(記録やら)があまりに簡素なので、一度徹底して素早さを育てたら、再度仕組みづくりに勤しんでいきます。

②徹底したオープン化・フラット化

次に、オープン化・フラット化を大事にしています。これは結構地味に効果が大きかったように思います。HONDAの創業者である本田宗一郎の言葉で、私たちが考える組織のイメージにピッタリな言葉があります。
社長なんて偉くもなんともない。課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。要するに命令系統をはっきりさせる記号に過ぎない。(本田宗一郎)
このような考え方で、組織再編を進めています。
(浸透の方法)
これまでにも何度かBlogで触れてきましたが、まずは型から入ることにしました。
・部長・課長等の役職で呼ぶのを明示的に禁止。すべての人に「~さん」。
・お客様に合わせたTPOは意識するも、威圧的になりがちなスーツ廃止。
・社長室等、役職者の個室の廃止・完全アドレスフリーのオフィスの実現。
・上座・下座的なトラディショナルなマナーも社内においては廃止。
等々、極力形からフラットな組織を作ろうと心がけました。これは効果があり、もともと威圧的なコミュニケーションをとりがちだった人のコミュニケーションの在り方も変わったように思います。その人個人の性格・気質のみならず、制度や風土が、人の振る舞いに与える影響は大きいと改めて感じました。また、役員に対する特別待遇なども辞めています。自分のことはまず自分でやること、どうしてもできないことをバックオフィスに依頼する、というスタンスを一度とっています。
何気に大きかったのが、社長室の廃止です。過去のブログでも触れましたが、外資系企業でも、エグゼクティブには個室が与えられます。ただ、その意味と効果を改めて考えたときに、本当に必要だろうか、と思いました。マネジメントも、日々オフィスの変化がわかったほうがいい、と考え、すべて完全フリーアドレスの中で働いています。
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FCCテクノの中で、「土から離れた民は滅びる」という言葉を使っています。これは経営を担う人が、土=現場を忘れたときから、福岡のスモール・ビジネスを牽引する私たちのアイデンティティの綻びが始まるということを表しています。各役職者は、リーダーシップは発揮しながらも、それは役割であって、人と人とが、オープンかつフラットにコミュニケーションをとれる環境は、とっても働きやすく感じますし、実際に採用が大幅に強化され、魅力的な人材が集まってくるようになりました。
(課題)
オープンかつフラットな組織を維持していくには、エネルギーが必要です。情報を吸い上げ、処理し拡散する仕組みを効率的・効果的に構築しなければ、オープンかつフラットに向けた旗を振っている人がいなくなった瞬間、とたんに政治が始まってしまいます。
当社のオープンかつフラットは、まだ若いマネジメントを筆頭に、人工的に作られたものであると評価しています。これが次第に「こうでなくては気持ちが悪い」にまで昇華したときに、初めて仕組みとして定着していくように思います。一人一人の意識をすべてオープンかつフラットにしていくのは難しいように思います。人によって、コミュニケーションのスタイルが異なるためです。ただ、私たちFCCがありたい組織は、誰かが偉い・偉くないで判断される組織ではなく、役職は役割であると考える組織です。
まだまだ、オープンかつフラットが私たちの根底に根付いているかと言えば道半ばですが、組織のDNAにまで組み込まれるぐらい、徹底していきたい考え方であると思います。
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③プロフェッショナリズムの醸成とチームワークの徹底

最後に、プロフェッショナリズムとチームワークを再度徹底しています。
(浸透の方法)
プロフェッショナリズムは、前述の①と②の背面にある考え方であるように思います。プロフェッショナルとして仕事をし、相応の報酬を得る、つまり、「確固たる思想や卓越した技術」がベースにあり、かつ、高品質なデリバリーが可能であることが前提にあります。こうしたプロフェッショナルとしての仕事を行っていくには、素早く動く必要がありますし、プロフェッショナリズムを有する人が集まる組織は、自然とオープンかつフラット(指揮命令系統ははっきりしますが。)となります。
また、当社においては、「会社に依存しない」、「会社は法律上の単なる箱である」をテーマに、社内でも毎日のように議論をしています。本当に会社が、職員の生活を徹頭徹尾守れるのであれば、会社は家族であり、仲間ですが、それは人口減少や、経済規模の縮小によって、今後難しくなっていきます。そうなってきたときに、それまで会社に忠誠を尽くさせておいて、いざとなったらさよなら、はなんだか後味が悪いように思います。元々、守れないものは守れないし、何事も安定しているものはない、当社に合わせるのではなく、労働市場に最適化するべきである、というのを社内方針としています。
ただ、それだけでは、殺伐としたセルフィッシュな人材が集まってしまうので、そうはいってもTeamworkって大事だよね、と考えています。それぞれが自分の人生を生きるけど、辛い時・乗り越えられなそうなときにはお互いに手を差し伸べる、大人の自立した関係を作る、それがチームワークである、とFCCの中ではよく議論がなされます。結局最後は人なので、建前抜きに、ちゃんといいチームを作ること、急速に進歩するAIの時代においては、人同士がチームを作って課題解決する意味・意義が増すはずであると、考えています。
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(課題)
実はこの三つの中で一番浸透が難しいのがこの項目であると思います。
FCCテクノも創業60年、多種多様な業務があり、お客様もいますし、職員も上は70歳、下は20代まで幅広く多様な価値観を有しています。その中で、共通の「プロフェッショナリズム」を打ち立て、浸透させていくのは難しいです。またチームワーク一つとっても、少し手を抜くと、ただの仲良しクラブになってしまいます。私たちが目指しているのは、単純に「仲がいい組織」ではなく、仲も良く、居心地はいいが、目的を達成する、お客様にバリューをもたらすために、チームが存在することです。仲良くしている、という目的ドリブンの仲良し(ちょっとドライですが。)が、浸透するとよいなと思っています。
まだまだ、新しい形でのプロフェッショナリズムとチームワークは、達成しているとは言い切れません。手を変え、品を変え、いろんなコミュンケーション・ポイントを設けて、職員が、「チームとは何か、プロフェッショナルとは何か」を日常的に自問する組織でありたいな、と思い、日々浸透に向けての工夫を進めています。
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変わろうとしなければ変わらないし、変わるのは案外楽しい。

以上の三つを、私たちFCCはこの2年で力いっぱい取り組んできました。取り組んでみて感じるのは、変わろうとしなければ変わらない・変われない、ということです。なんだ結局仕組みではなく精神論か、と思われるかもしれませんが、当たり前なのですが、変革においては、「変わりたい」という意識がなければ絶対に進みません。
人は変わりたいと口では言いながらも、本心はその場にい続けようとする慣性が働き、変わりたくないが本心であることが多々あるように思います。本当に変わりたいと思ったとき、組織は変わっていくし、変われない組織はなく、私たちFCCが2年で大きく買われたのは、トップマネジメント以外の職員にも、変わらねば、という強い危機感があったためであると思います。
そして、変わっていくと、変わっていくことが当たり前になり、変わらないことがもどかしく感じるようになります。これは職員から上がった声ですが、そういった意味でも、変わることは案外楽しいし、変革が習慣化していけば、何も苦痛はありません。いつか、上記三つに掲げる課題をクリアし、新しい世の中、不確実な世の中でも生きていける組織、個人になっていきたいと思います。

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